■いつ? |
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2001年初め |
■どこで? |
記載なし。 |
■誰が? |
日本ビクター株式会社 |
■何をした(する)? |
ラジオRA-H5とRA-H7(テレビ音声付)を2年の開発期間を経て、発売した。 |
■なぜ? |
・古い老人イメージを押しつけるような製品に、今の高齢者は見向きもしない。とデザイナー青木淑江さんは確信していた。
・青木さんの願いは「あっという間に消えるベストセラーではなく、ロングセラー」だった。 |
■どのように? |
・コンセプトは単純だった。「ユニバーサルデザインのラジオ」。高齢者や障害者を含め、あらゆる人たちが使いやすいデザインにするということだ。そのために、あえてローテクであるダイヤルチューナーや、凸凹の多いスイッチにこだわった。1万円前後と、単なるラジオとしては少し高価だった。
・開発にあたって、青木さんは2組の薄い手袋を用意した。2重に着用すれば、高齢者の操作感を疑似体験できると考えた。周囲に狙いを伝えることができた。弱視を体験できる眼鏡は、社費で買ってもらった。日本語表記に加え、弱視者には格段に読みやすいバリアフリー書体も採用された。 ・長時間、聞き続けても疲れにくい音質のスピーカーの開発は、技術者が積極的に引き受けてくれた。 ・最後まで譲らなかったのが、明るい木目の外観だった。「高齢者向きなら重厚に暗めの色調を」という意見と対立した。高齢者対象のモニター調査を実施すると、「おしゃれ」「かわいい」と明るい色を支持する声が圧倒的だった。 ・青木さんが「使いやすさ」を意識するようになったのは、93年にバリアフリー商品を考える異業種交流会に参加したことがきっかけだった。「学んだというより、活動を通して障害を持つお友達がたくさんできたことが大きかった」と話す。 ・それから2年足らず。「月産2500台を順調にさばいている」(同社広報室)。今月初めには、デザインを踏襲しながら、話し始めの速度を落とす「ゆっくり聞こえる機能」を搭載した話題の新製品もシリーズに加えた。 |