茨城・笠間焼、不況でも元気――若者呼び込み、個性を競う(新地域産業)(2002年3月11日)

■いつ?
2002年3月5日
■どこで?
茨城県リハビリテーションセンター(友部町)
■誰が?
茨城県工業技術センター窯業指導所(笹間市)の「笠間焼商品開発研究会」
■何をした(する)?
笹間焼のUD食器の使い勝手を試す試食会を行った。
■なぜ?
身障者や高齢者など誰でも使いやすいUD食器を考案するため。
■どのように?
・「笠間焼商品開発研究会」は、2001年6月に茨城県工業技術センター窯業指導所が事務局となり発足した。2001年3月当時、メンバーは医療関係を含めて24人だったという。
・試食会では、表面に櫛目をつけて滑りにくくした茶碗、手前が低くすくいやすいスープ碗、取っ手に4本の指が入り持ちやすくしたカップなどが並んだ。
・土の性質などから大量生産に向かず、笠間焼から技法が伝わった益子焼より知名度や規模は劣るが、個々の注文にきめ細かく対応できるという利点もある。茨城県工業技術センター窯業指導所の尾形尚子さんは「笠間焼は大量生産型でないので、個々の注文にきめ細かく応えて制作できる。お客は個性にあった食器を使える」と語る。
■参考資料
「 茨城・笠間焼、不況でも元気――若者呼び込み、個性を競う(新地域産業)」『日本経済新聞』2002年3月11日,朝刊,16面

街づくり・流通ルネサンス、JAPANSHOPなど開幕(2002年3月5日)

■いつ?
2002年3月5日~8日
■どこで?
東京国際展示場「東京ビックサイト」(東京都江東区)
■誰が?
株式会社日本経済新聞社,財団法人店舗システム協会(主催)
■何をした(する)?
第31回店舗総合見本市「JAPAN SHOP2002」など4展を開催する。
■なぜ?
デフレが進行する苦しい環境の中で、UDやネット社会における店舗づくりなど、時代に対応した店づくりを提案するため。
■どのように?
・「街づくり・流通・ルネサンス」の総称のもと、「JAPAN SHOP」「建築・建材店」「RETAILTECH JAPAN」「SECURITY SHOW」のほか、特別企画として「IC CARD WORLD」、6日からは「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ」も加わり、合計6つのイベントが同時開催となる。
・出展社数は全体で901社。
・8日までの期間中、約17万人の入場者を見込んでいる。
■参考資料
「街づくり・流通ルネサンス、JAPANSHOPなど開幕」『日本経済新聞』2002年3月5日,夕
刊,1面

都道府県・政令市、本社調査――バリアフリー義務化へ、整備状況に地域差(2002年3月4日)

■いつ?
1999年
■どこで?
静岡県内
■誰が?
静岡県
■何をした(する)?
「ユニバーサルデザイン室」を設置し、UDを取り入れた環境づくりを始めた。
■なぜ?
「全ての人にやさしい生活環境づくり」を目指すため。
■どのように?
・サッカーワールドカップ(W杯)の会場となる小笠山総合運動公園と最寄の駅のJR駅を結ぶルートをスロープ化した。
・急勾配では階段、傾斜式の動く歩道、車椅子でも利用できるモノレール型のゴンドラを設置し選択肢を広げた。
・「これまでのバリアフリーはバリア(障害)を除くデザイン。今後は障害者、高齢者、子供、妊婦、外国人など全ての人に配慮し、最初からバリアをつくらない街づくりが必要。」と静岡県では考えている。
■参考資料
「都道府県・政令市、本社調査――バリアフリー義務化へ、整備状況に地域差」『日本経済新聞』2002年3月4日,朝刊,31面

楽々使えるペン色々――ぺんてる・太い移動グリップ、ゼブラ・遠赤外線を活用(2002年2月8日)

■いつ?
2002年2月末,3月末
■どこで?
全国
■誰が?
ぺんてる株式会社(東京都中央区)、ゼブラ株式会社(東京都新宿区)、株式会社サクラクレパス(大阪府大阪市)
■何をした(する)?
各社とも、UDの発想を取り入れた「長時間使っても疲れにくい」ことを強調した新型のペンを発売する。
■なぜ?
万人に使いやすくし、需要を掘り起こすため。
■どのように?
【ぺんてる株式会社】
・2月末人間工学を基に考案したという「エルゴノミックス」を発売する。本体中央部に手の大きさに合わせて上下に18ミリ動かせる太いグリップをつけたのが特徴だという。
・通常のペンは親指、人差し指、中指で支えるのに対し「エルゴノミックス」は太くした部分が親指と人差し指の間に収まり、4ヶ所目の支点ができる。このため、少ない力でもしっかり支えられ、手への負担を軽減するという。
・油性ボールペン、水性ゲルインキボールペン、シャープペンシルの3種類、本体の色は黒、青、緑など6色。価格はいずれも500円。
【ゼブラ株式会社】
・遠赤外線などを発する鉱物のトルマリンをグリップのゴムに配合した「サーモアルファ」を2002年2月8日に発売する。油性ボールペンとシャープペンシルがあり、価格はともに300円。初年度に合わせて300万本の販売を目標にする。
【株式会社サクラクレパス】
・3月末に「太め」と「三角形」との組み合わせで持ちやすくした「ジーマックス」を発売する。
・太さは最大1.5センチと従来の製品より4割はど大きく、手になじみやすい。形状は三角柱に近く、指の一本一本に当たる面が広くなり楽に支えられるという。
・油性ボールペンとシャープペンシルを用意し、価格はともに300円。シャープペンシルには取り換え可能な長さ3.8センチの大型消しゴムもつけた。
■参考資料
「楽々使えるペン色々――ぺんてる・太い移動グリップ、ゼブラ・遠赤外線を活用」『日本経済新聞』2002年2月8日,朝刊,31面

「立杭焼」兵庫・篠山の陶工ら、人の優しい食器づくり――福祉施設が注目(2001年12月21日)

■いつ?
2001年6月
■どこで?
兵庫県篠山市今田町
■誰が?
今田町の16人の陶工
■何をした(する)?
「UD食器開発研究委員会」を結成し、UD食器の製作に取り組んでいる。
■なぜ?
お年寄りらの利用を念頭に新しい食器作りに取り組んできたから。
■どのように?
・これまでにストローが差せる湯飲みや、料理をすくいやすいよう縁を高くした皿など試作品約50点を考案。東京、大阪などで試験販売したところ、福祉関係者らの好評を得た。
・各地の展示会で評判となり、個人や老人福祉施設などから注文が来るようになった。
・販売は今のところ各窯元の売り場や、今田町内の観光物産センターでの即売が中心。将来的にはインターネットによる通信販売も検討している。
・2001年12月21日の日本経済新聞の記事には、UDに関して「年齢や性別、障害の有無などに関係なく、だれもが使いやすい商品やサービスの提供を目指す考え方。工業製品の分野では急速に広まっているが、陶磁器の意匠に採り入れる動きは全国でも珍しいという。」と記載があった。