LAKTAK だれもが使いやすい器求め(見る聞く探る) /長崎(2001年10月26日)

■いつ?
2001年10月26日まで
■どこで?
東京都
■誰が?
長谷川武雄さん(陶磁器デザイナー)
■何をした(する)?
「国際福祉機器展」に、新作の食器類を出展している。
■なぜ?
・だれもが安心して使える普段着感覚の器を使ってもらいたい。

・福祉機器のデザイナー仲間に影響を受け、食器をだれもが使いやすいようにと工夫した。

■どのように?
・すくいやすく、持ちやすい工夫を凝らした「LAKTAK(楽卓)」。器の温かさに使いやすさを加えたユニバーサルデザインで、使い手の側にたった器の普及を提案する。

・皿は平らな底の周りの縁を高くしているので、手の不自由な人でもスプーンですくいやすく、視覚障害者にも器の端がわかる。おわんは指がかかりやすいように底の高台部分を高くし、カップは取っ手を底につくまで大きくして握りやすくした。

・LAKTAKを提案したのは94年。今回の出展では種類を10ほどに増やし、絵柄を染め付けた。ネックとなる値段は、波佐見焼のメーカーと提携し生産を増やすことで2、3割抑え、1人用セットで約1万2千円に。試作品は完成し、年末から生産、販売を始める。

・精神障害者のグループホーム「オープンハウスむつごろう」は2年前からLAKTAKを採り入れ、16人の利用者が使う。

・今年の高校家庭科の教科書用の資料にユニバーサルデザインの食器としてLAKTAKが紹介された。

・長谷川さんは日用品の食器を中心に陶磁器のデザインや窯焼きを手がけてきた。工房のそばに2年前に開いた15坪のギャラリーには、白や青みを帯びた透明感のある磁器が500点以上並ぶ。

・LAKTAKを含めた長谷川さんの工房展が今月28日まで、森山町唐比北のギャラリーで開かれている。問い合わせは電話0957・36・2380へ。

鑑賞希望者・モデルを募集 静岡でファッションと映画ショー/静岡(2001年10月30日)

■いつ?
2001年10月頃
■どこで?
記載なし
■誰が?
静岡県朝日会
■何をした(する)?
鑑賞希望者とファッションショーのモデルを募集している。
■なぜ?
12月11日に、さんらいふ「いきいきファッションとシネマショー」を静岡市御幸町のサールナートホールで開催する。
■どのように?
・ファッションショーは午後1時と6時からの2回あり、年齢や性別、障害の有無などに関係なく、だれもが着られるユニバーサルデザインの服などを披露する。デザインは、県浜松工業技術センターの小杉思主世(しずよ)さんが担当。浜松地方で生産された綿を使う。

・入場無料。ただし、アフガン難民支援のために300円以上の募金を求める。募金は朝日新聞厚生文化事業団を通じて支援機関に届ける。定員は各回250人(先着順)。往復はがきに住所、氏名、電話番号、人数、鑑賞希望時間を書いて、「さんらいふ」(〒420・0853 静岡市追手町7の1)に申し込む。

・モデルは、年齢や性別は不問。親子、祖父母と孫など家族でモデルになってくれる人を各回20人募集する。はがきに希望者全員の住所、氏名、電話番号、年齢、性別を書いて、「さんらいふ モデル係」(〒420・0853 静岡市追手町7の1)に申し込む。11月30日必着。問い合わせは、さんらいふ電話054・251・7029へ。

ユニバーサルデザイン(「しょうがい」って何?第2部:1)/福島(2001年10月31日)

■いつ?
1995年
■どこで?
三春町福祉会館(福島県三春町)
■誰が?
三春町
■何をした(する)?
三春町福祉会館を建築した。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・入り口のスロープのこう配は約8%と緩やか。受付テーブルは下部がえぐってあり、車いすのまま職員と対面しやすくした。2階にあるデイケア施設のトイレは便座の周囲に同じ高さの木の台座を巡らし、下半身が不自由でも簡単に座ることが出来る。エレベーターは救急車のストレッチャーがそのまま入る約2・6メートルの奥行きがある。

・同町参事の森沢茂さんは「障害者や高齢者だけでなく、福祉会館を利用するだれもが使うのが前提。トイレの木の台座は、私なら本でも置こうかと思います」と話す。ユニバーサルデザインの理念に近いが、森沢さんは「建てたころはだれも、そんな言葉を知らなかった。大勢の職員が設計者に意見を伝えたので使いやすくなっただけ」という。

・県も今年度から、ユニバーサルデザイン研究会を立ち上げた。かつてグラフィックデザイナーだった森沢さんも14人のメンバーの1人。年度末までに提言書を作る予定だ。県はこの提言書をもとに、施設だけでなく道路や表示も含め、県の環境づくりに生かす方針。

・<ユニバーサルデザイン> すべての年齢や能力の人々にとって、可能な限り使いやすい工業製品や公共施設、標識などの生活環境のデザインをいう。川内美彦著「ユニバーサル・デザイン」(学芸出版社)によると、米国の建築家で工業デザイナーだったロン・メイス(故人)が70年代後半から提唱した。バリアフリーは高齢者や障害者など特定の人のために生活環境の不自由さを取り除くことを指すことが多いが、ユニバーサルデザインは多くの人が使うことが前提で、「みんなのためのデザイン」(デザイン・フォー・オール)とも表現される。

ユニバーサルデザイン(「しょうがい」って何?第2部:1)/福島(2001年10月31日)

■いつ?
1995年
■どこで?
磐梯高原柏屋(福島県)
■誰が?
本名幹司さん(柏屋社長)
■何をした(する)?
普通のトイレとは別に、段差のない、手すり付きのトイレをつくり、車いすマークを表示した。
■なぜ?
数年前に父親の足が弱くなったころからトイレの使い勝手が気になり始め、手すりがないと体が不安定で危ないと考えたため。
■どのように?
・店員からの報告で利用者がほとんどないことが分かった。一時は店の荷物置き場になり果てていた。「病院のような雰囲気だし、健常者は『使ってはいけない』と思い込んでいるから」と本名さんは言う。

・利用者の区別をなくしてしまえ、という発想が新しいトイレにつながった。入り口には車いすの人と男性、女性、そして子供が並んだ独自の表示があり、「みんないっしょ、みんなかいてき」と書いてある。「ユニバーサルデザインという言葉は少しとっつきにくい。多くの人に分かってもらえればと、平仮名で理念を書きました」と本名さんは説明する。

ユニバーサルデザイン(「しょうがい」って何?第2部:1)/福島(2001年10月31日)

■いつ?
2001年10月頃
■どこで?
開成柏屋(福島県郡山市)
■誰が?
株式会社柏屋
■何をした(する)?
だれもが使いやすいことを目指す「ユニバーサルデザイン」の好例として全国的に注目された。
■なぜ?
トイレに入った人の多くに広い印象を与える。
■どのように?
車いすで楽に方向転換が出来る1・5坪(約5平方メートル)が2室。完全個室のため男女兼用になっており、手すりやベビーベッドもある。