視覚障害者にやさしく 堂本食品のむき甘栗「ぱっくりりん」/広島(2003年07月09日)

■いつ?
1997年開発・発売
■どこで?
広島市安佐南区
■誰が?
堂本食品株式会社
■何をした(する)?
・開発したむき甘栗「ぱっくりりん」が、年齢や障害の有無などにかかわりなくすべての人にとって使いやすい製品「ユニバーサルデザイン」として評価されている。

・国内で初めて、皮をむいた状態で甘栗を袋詰めにした製品の開発に成功。

■なぜ?
・虫食い状態の栗を食べる心配がない点などが視覚障害者に好評なため。

・皮をむく手間が省け、賞味期間も120日間と長持ちすることなどから人気を呼び、年間13億円を売り上げるヒット商品になった。

■どのように?
・もともとユニバーサルデザインを目指して開発した商品ではなかった。だが3年前、視覚障害をもつ消費者から同社に「まるで自分たちのために開発されたような商品」との感想が寄せられた。従来の甘栗の場合、虫食い状態などの「不良栗」が入っていることがあったが、視覚障害者にとっては見分けがつかず、口に入れるまで分からなかったという。
 この反響をきっかけに、商品開発に携わった同社企画室長の浜本京子さんはユニバーサルデザインをテーマにした企業の勉強会などに参加。そこでも、モニターを務める視覚障害者から商品について同様の評価を受けたという。

・「人に商品を薦めるときはパッケージを表にしたいが、通常の商品は表裏が分からない」「保存食の場合、食べきれずに一度しまってしまうと、ほかの商品に紛れてどれがその商品なのか分からなくなってしまう」などといった意見が出た。こうした声に応えるため、同社は2年前から包材メーカーの協力を得て、包装の表に点字を入れるようになった。

・浜本さんは「この商品を通して、逆に色々なことを教えてもらった。ユニバーサルデザインをもとに商品開発を考える土壌ができたことに感謝している」と話す。

・県は3月、学校や職場などを対象に、ユニバーサルデザインの普及と促進を図るため、県内外の事業例を紹介したハンドブックを千部作成。このうち500部を5月から希望者に配っている。問い合わせは県政策企画局(082・513・2413)へ。

住 マリオン(2003年07月09日)

■いつ?
~2003年7月26日(午前10時~午後6時、日曜・月曜・祝日は休み)
■どこで?
タチカワ銀座ショールーム(東京都中央区銀座8丁目)
■誰が?
立川ブラインド工業株式会社
■何をした(する)?
「気づこう! 考えよう! やってみよう!『ユニバーサルデザイン展』」を開催した。
■なぜ?
年齢や性別、障害の有無に関係なく、すべての人にとって快適な設計であるユニバーサルデザインを、発見や体験を通じて、子供から大人までひとりひとりの視点から考えられるよう紹介している。
■どのように?
・ユニバーサルデザインの歴史や、ペンや食器、使い勝手を比較できるマグネットなどの商品を展示。

・手袋をしてペットボトルのふたを開けるなど、普段使っているものの使いにくさを体験し、使いやすくするためのヒントを探す実験コーナーもある。

・タチカワ銀座ショールーム(新橋駅、電話03・3571・1373)。

高齢者や障害者に優しい生活環境を 熊本市で「UD講座」 /熊本(2003年07月11日)

■いつ?
2003年7月10日
■どこで?
熊本市
■誰が?
福祉団体や市町村職員ら約50人
■何をした(する)?
誰にでも使いやすい生活環境を目指すユニバーサルデザイン(UD)の観点から建物やサービスを点検する講座を行った。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・熊本城やアーケード街を歩きながら段差のチェックなどを行った。

・点検は8グループに分かれて、急なスロープやせまい入り口など高齢者や障害者が使いづらい場所を写真に撮り、地図に印をつけた。その後、改善策などを話し合った。

・銀行の現金自動出入機では、画面の位置が高く車いすから文字が見えにくい、デパート内の段差を示すピンク色のテープは色覚障害者にわかりにくいとの指摘があった。

・車いすで参加した山本行文さん(48)は「すべてをUDに配慮した建物に変えるのはコストがかかる。その分、自動ドアがすぐに閉まるのを手で押さえるなどサービス面でカバーしてほしい」と話した。

すべての人がすみよい街を 県、四日市で講座 /三重(2003年07月13日)

■いつ?
2003年7月12日
■どこで?
じばさん三重(四日市市)
■誰が?
三重県健康福祉部
■何をした(する)?
5回予定したうちの2回目の「ユニバーサルデザインのまちづくり」講座を開いた。
■なぜ?
古瀬敏静岡文化芸術大教授は講演で「2015年には人口の25%が高齢者。自分が使うことを考えてまちづくりを考えなければ」と話した。
■どのように?
・ユニバーサルデザインは、「すべての人のためのデザイン」の意味。年齢や障害にかかわらず、多くの人が利用できることが条件。例えば、階段のある場所に車いす用のスロープをつけるより、最初から段差をなくせば、高齢者や妊娠中の人たちなど、多くの人が利用できるとの考え方。

・古瀬教授は講演で、施設のトイレなど様々なデザインについて、よい例や悪い例を挙げて解説した。

・講座には約百人が参加し、車いす利用者や脚の不自由な人たちの姿もあった。

わかふじ大会に役立ててと寄付 県盲・聾・養護学校 /静岡(2003年07月18日)

■いつ?
2003年7月17日
■どこで?
静岡県庁内の国体局長室
■誰が?
上地裕佳子会長(静岡県盲学校・聾(ろう)学校及び養護学校PTA連合会)
■何をした(する)?
今秋に開催する「わかふじ大会(第3回全国障害者スポーツ大会)」に役立ててもらおうと寄付金40万円を県に贈った。
■なぜ?
同連合会では、わかふじ大会に出場する選手や関係者の励みになるからと、PTA会費の中から毎年10万円ずつ積み立てていたという。
■どのように?
・北村正平局長は「寄付金は目的を持って使いたい。すべての人にやさしい大会を目指したユニバーサルデザインの実現やボランティアの方の活動費に充てたい」と話した。

・寄付の贈呈式では、同連合会長の上地さんや県立静岡盲学校生徒会長の岡村僚君ら4人が訪れ、北村局長に目録を手渡した。