ニューフロンティア(ダウンサイジングにっぽん第3部:3)●世界へ展開(2003年11月23日)

■いつ?
2003年5月頃
■どこで?
国内
■誰が?
トヨタ自動車株式会社
■何をした(する)?
小型車「ラウム」を発売した。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・量産車としては初めて、ユニバーサルデザインを設計の中心に据えて開発された。

・左側面の前部ドアと後部ドアを仕切る支柱(ピラー)をなくし、高齢者でも楽な姿勢で乗り降りできる。

・ブレーキやバッテリーの異常を操作パネルに示すときには、記号の下に日本語でどこが異常かを表示したほか、「販売店に連絡」「点検」などと対処方法も言葉で読めるようにした。

・販売目標は月4千台だったが、発売後1カ月で1万1千台を受注。10月までの半年で目標を3割上回る約3万2千台のペースを維持している。年齢別には、50代以上が43%を占める。

・販売先は国内のみだが「ユニバーサルデザインは日本人だけの話ではない。他車種への拡大とともに、世界への展開も十分ありうる」(同社)と意欲的。

ニューフロンティア(ダウンサイジングにっぽん第3部:3)●成長の機会(2003年11月23日)

■いつ?
2003年11月28日
■どこで?
記載なし
■誰が?
松下電器産業など電機メーカー4社が主導
■何をした(する)?
「国際ユニヴァーサルデザイン協議会」を発足する。
■なぜ?
「ユニバーサルデザイン」の思想を、国内市場の活性化だけでなく、国際競争力の向上につなげるため。
■どのように?
・ユニバーサルデザインの世界基準を日本発で作る。

・ユニバーサルデザインを企業経営の最大原則として担保するための組織づくりはどうあるべきか協議する。

・自動車や食品、衣料、電気など幅広い業種から約60社が参加する。

・カメラ、電機両業界が参入するデジタルカメラなど、従来の枠を超えて販売競争が展開される商品で、用語や操作方法の統一を図る。

・初年度は10~20のテーマをとり上げ、参加企業で成果を共有する。

・日本工業規格(JIS)や国際標準化機構(ISO)規格への採用を働きかける計画もある。

鯖江で学ぶ大阪大講座 ネット活用、来年度から /福井(2003年11月26日)

■いつ?
2003年11月頃
■どこで?
阪大FRC(大阪府吹田市)、めがね会館(福井県鯖江市新横江2丁目)、講義スタジオ(愛知県名古屋市)
■誰が?
大阪大学フロンティア研究機構(阪大FRC)
■何をした(する)?
本講座に先立ち、事前講座がシステムの試験運用も兼ねて行われ、約60人が受講した。
■なぜ?
阪大FRCは人材育成と新産業の創成を目的とし、インターネットを活用した教育などに取り組んでいる。
■どのように?
・インターネットを利用し、サテライトキャンパスにいながらにして最先端の「デザイン理工学」の授業を受けられる、大阪大学フロンティア研究機構(阪大FRC)による講座が来年度から始まる。

・阪大FRCは文科省の戦略的研究拠点育成事業に阪大大学院工学研究科が応募して選ばれ、01年10月設置された組織。

・「デザイン理工学講座」は、同大学大学院の特任教授で名古屋市立大大学院の川崎和男教授らが講師となる。

・本講座では6人の講師が6回ずつ計36回の講義を1年間する予定で、サテライトキャンパスを最初は全国で5カ所ほど設置する。

・問い合わせは鯖江市役所ユニバーサルデザイン課(0778・53・2204)へ。

空き家を改良し、安い値で供給へ NPO法人、福島市で設立/福島(2003年12月03日)

■いつ?
2003年12月1日
■どこで?
福島県福島市
■誰が?
NPO法人循環型社会推進センター
■何をした(する)?
設立総会を開いた。
■なぜ?
施工業者や設計士らとネットワークを作り、空き家の多い住宅団地などをリフォームして供給するのを目的として。
■どのように?
・少子高齢化の進展を踏まえ、ユニバーサルデザインを取り入れた住宅なども提供する方針。

・活動では空き家をリフォームし、消費者に安価で提供する。早ければ今年度中にも知事の認可を得て活動を始める見込み。

・活動の基本構想は「資源を大事に使い、ごみの量を減らす」というリサイクルの発想。

・実際にリフォームを担当するのは主に地元の施工業者や設計会社。NPOを中心に業者とネットワークを作ることで、情報共有や技術指導などが円滑に進められる。

・消費者の信頼が得られるように、NPOは業者の技術などをチェックした上で登録する。

・消費者は住宅改修や買い替えに関する相談をNPOに持ちかけ、交渉。消費者の予算や要望に応じてNPOが事業者らを選定し、あっせんする仕組み。

・すでに約170の正会員、準会員が集まっており、来週にも県に設立の申請をする。

障害者、買い物しやすく 新業態の店舗運営へ /熊本(2003年12月12日)

■いつ?
2003年12月頃
■どこで?
熊本県熊本市
■誰が?
株式会社エブリワン
■何をした(する)?
熊本市内に「タブリエ」の1号店を出す。将来は九州各県に店舗を展開する予定。
■なぜ?
「ユニバーサルデザインのコンビニ」として、お年寄りなど新しい客層の取り込みを狙う。
■どのように?
・障害者でも買い物しやすくした新業態のコンビニ「タブリエ」の運営に乗り出す。フランス語で母親のぬくもりを意味する。

・パート従業員は障害者も雇用する。

・市内の障害者支援団体の意見を取り入れ、フロアは一般的なコンビニの5倍にあたる660平方メートルを確保。車イスが楽に通れるように通路やレジの幅を広くした。

・当初は点字の案内板を配置する予定だったが、障害者側から「店員に頼めば済む」と指摘されたため、店員教育に力を置くことにしたという。店員が自然に手助けするような「接客力」を目玉にしたい考え。

・敷地内には、売り場面積(70平方メートル)が日本一になるという授産施設の販売所や、障害者向けのパソコン教室も併設される。

・同社は「健常者や地域住民との交流拠点になれば」と期待をかける。

・エブリワンは94年、旧寿屋系列のコンビニとして創業。店内でパンや弁当をつくり、業界で初めて離島の鹿児島県名瀬市に出店するなど、特徴を出して後発のハンディを補ってきた。店舗数は160で九州5位。

・冨田晋社長は「大手に対抗するには、徹底的に地域に根ざした店作りで差をつけることが必要。将来はお客さんを名前で呼べるようになるほど、親しみのある店にしたい」と話している。