あしたを紡ぐ(8)なくそう心のバリア――共生の道日常の中に(2001年1月7日)

■いつ?
1989年~
■どこで?
東京都内
■誰が?
今福義明氏(障害者団体「アクセス東京」代表)
■何をした(する)?
東京都内の駅のアクセス度調査をしている。
■なぜ?
JRや私鉄を乗り継ぎ、使い勝手などをチェックし、その情報を仲間に伝えるため。
■どのように?
・駅に段差解消に向けた取り組みは1980年代から本格化。2000年11月に交通バリアフリー法が施行され弾みがついた。
・国土交通省によると、1日の乗降客数が5000人以上で高低差が5メートル以上ある駅のエレベーター設置率は2000年3月時点で38%、エスカレーターは62%だという。法律はこうした駅での2010年までの段差完全解消などを目指す。
・身体障害者の場合、車椅子でエスカレーターを利用するときには逐一駅員に連絡する必要がある。その手間と時間。さらに、視線が集まる中での移動の気まずさも大きい。
・ハードの整備。そして町での日常的に障害を持った人たちと接する機会があれば周囲の理解は深まると考えられる。
・2001年1月7日の日本経済新聞の記事の中には、UDに関して「最近は障害の有無にかかわらず使い勝手がよいUDという概念が登場、住宅や商品開発などさまざまな分野で生かされている」という記述があった。
■参考資料
「あしたを紡ぐ(8)なくそう心のバリア――共生の道日常の中に」『日本経済新聞』2001年1月7日,朝刊,35面

ユニバーサルデザイン、文具シリーズ化、コクヨ、従来並み価格で――弱い力でOK。(2000年12月26日)

■いつ?
2000年12月末
■どこで?
全国
■誰が?
コクヨ株式会社
■何をした(する)?
UDを取り入れた文具シリーズ全19品を発売する。
■なぜ?
高齢者や障害者の使い勝手も考慮するため。
■どのように?
・従来品よりも少ない力で紙をとじられるステープラーや、左利きの人でも使いやすいカッターナイフなど全19品目を発売。価格は大半の商品で同社従来品と同等に抑えた。
・2000年12月26日の日本経済新聞の記事では、UDは「高齢者や障害者はもちろん、一般の人の使いやすさも追求する設計思想。」と表現されていた。
・文具業界UDを取り入れた商品を本格展開するのは初めてだという。
・商品ごとに特徴を記したパンフレットを作製して認知度を高めるとともに、独自に定めたUDを示すマークを商品に添えるという。
■参考資料
「ユニバーサルデザイン、文具シリーズ化、コクヨ、従来並み価格で――弱い力でOK。」『日本経済新聞』2000年12月26日,朝刊,17面

広がるユニバーサルデザイン人に優しく(4)ファッション多様に(終)(2000年12月16日)

■いつ?
2000年12月7日
■どこで?
東京国際展示場
■誰が?
日本ユニフォームセンター(NUC、東京都港区)
■何をした(する)?
UDの衣料品のショーを開催した。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・デザイナーズ・アンド・キャラクター(DC)ブランドの出身者など、11人のデザイナーが製作した70点のUDの衣料品のショーが開催された。
・モデルにはシドニー・パラリンピック男子車椅子バスケットボールの佐々木勝也選手や元ミス・インターナショナル準日本代表で現在車椅子生活を送るエッセイスト、鈴木ひとみ氏らが特別出演をして花を添えたという。
・作品に共通するのは、取り外し可能なポケットを衣服に付けたり、光反射素材を袖口につけるなど、機能性とデザイン性の両方を配慮した点だ。
・2000年12月7日に行われたショーは、1999年12月に次ぐ2回目のショー。通産省が1兆円超と試算する、UDの衣料品市場という新たなマーケットにデザイナーも熱い視線を注ぎ始めた。
■参考資料
「広がるユニバーサルデザイン人に優しく(4)ファッション多様に(終)」『日本経済新聞』2000年12月16日,夕刊,2面

広がるユニバーサルデザイン人に優しく(3)体形変化の科学――世代問わぬ美しさ。(2000年12月15日)

■いつ?
記載なし。
■どこで?
京都府京都市
■誰が?
株式会社ワコール 人間科学研究所
■何をした(する)?
200人の女性の10~40歳代の体形を25年間にわたって測定、データベースにした。
■なぜ?
加齢による女性の体形変化を科学的に把握し、世代を問わない美しさを追及するため。
■どのように?
・研究所は食生活、運動量などの要素を基に17種類の体形変化に類型化した。
・1964年の研究開始から蓄積してきた約3万人の横断データを下着販売に活用してきた。
・200人の縦断データ活用で生活診断や肌の手入れなど体全体のコンサルティングも可能になるという。
・体形変化のデータは人に優しい商品の開発につながり、UDを支えると考えられている。
■参考資料
「広がるユニバーサルデザイン人に優しく(3)体形変化の科学――世代問わぬ美しさ。」『日本経済新聞』2000年12月15日,夕刊,2面

広がるユニバーサルデザイン人に優しく(2)スーパー変身――試着室広々階段色分け。(2000年12月13日)

■いつ?
2000年11月中旬
■どこで?
イトーヨーカ堂木馬店(東京都江東区)
■誰が?
株式会社イトーヨーカ堂
■何をした(する)?
店舗全体の設計にUDを採用した全国初のスーパーをオープンした。
■なぜ?
「高齢者や障害者に使いやすい店舗は誰にでも使いやすい」と考えたから。
■どのように?
・2階の衣料品売り場に車椅子のまま入ることができる試着室を設置した。段差がなく、内部は通常の試着室の広さの2倍以上。腰を掛けて試着できるように片隅にベンチを設けた。
・階段は1段ごとに淡いピンクと淡い緑に色分けして、視覚障害者などにも段差が分かりやすいようにした。
・車椅子利用者向けトイレは男女兼用が多いが、1階に男女別のトイレを設けた。
■参考資料
「広がるユニバーサルデザイン人に優しく(2)スーパー変身――試着室広々階段色分け。」『日本経済新聞』2000年12月13日,夕刊,2面