[ユニバーサル社会]「旅」などテーマに議論 先月、都内で公開教室(2003年12月5日)

■いつ?
2003年11月28日,29日
■どこで?
東京・新宿
■誰が?
主催・ユニバーサルデザインネットワークジャパンなど
■何をした(する)?
オープンスクール「ゆにばーさるでざいん広場」を開いた。
■なぜ?
だれにでも使いやすいことを目指すユニバーサルデザイン(共用)について様々な角度から考えてもらうため。
■どのように?
・旅、ものづくり、住宅など六つのセミナーに分かれ、各分野の現状やユニバーサルデザインの考えをどう生かすかについて考えた。

・「旅」のセミナーでは、全日空社員で障害者や高齢者の旅行支援を担当した石倉康範さんが、体に障害のある国内線利用者がこの十年で倍以上に伸びていることを報告。「どのような手伝いが必要なのか、社内でもまだ意識に温度差がある。人を育てていくことが大事だ」と語った。

・障害者の旅行支援などを行うJTMバリアフリー研究所の草薙威一郎所長は「高齢者や障害者の旅行が増えるにつれて、段差の多い寺院など文化財のバリアフリー化が大きな問題になる」と指摘。現行の文化財保護法は文化財の保存だけでなく活用を目的にしているが、文化財を改築してスロープなどを付けることは難しいのが現状。「世界中で同じ問題が生じている。これからの課題だ」と語った。

・このほか「住まい」をテーマにしたセミナーでは、静岡文化芸術大の古瀬敏教授が住宅建設にあたって「床に段差を作らず、車いすが通れる空間を確保するなどしておけば、将来、体に支障が生じてもわずかな改修ですむ」とアドバイス。

・「接客法」を学ぶセミナーでは、聴覚障害のある神奈川工科大非常勤講師の松森果林さんが「たとえ手話ができなくても、メモ用紙を一枚、ポケットに忍ばせておけば、聴覚障害者に接する際にあわてなくてすむ。ふだんからいろいろな人が来ることを想定しておくことが大事」と指摘した。

[光とくらす](4)気分も和む、間接照明(連載)(2003年12月5日)

■いつ?
2003年12月頃
■どこで?
横浜国立大学建築環境工学研究室
■誰が?
福多佳子氏
■何をした(する)?
高齢者と若い世代がともに快適に過ごせる照明を研究開発している。
■なぜ?
高齢化が進み、多世代型の住宅が増えているから。
■どのように?
・大学の研究室に十四種類の照明を用意。内装も二種類作って二十八パターンの部屋を再現し、平均七十二歳の高齢者と二十二歳の若年者二十人ずつに「好きか」「居間に適していると思うか」の二点を評価してもらった。

・その結果、クリーム色や木調の内装に間接照明を組み合わせたもの、青系統の内装に複数の白熱灯で開放感と落ち着きを持たせたものなど、五パターンが高く評価された。

・高齢者の住まいについて情報発信しているインテリアデザイナーらの集まり「グループ・アグア」の市村倖子代表は「ユニバーサルデザインは建物や道具だけに当てはまるものではない。光の環境について、研究や開発を進めると同時に、一般の人たちに広く関心を持ってもらうことも大切」と話す。

[モバイル&ゲーム]骨伝道スピーカー内臓の携帯電話TS41/ツーカー(2004年1月6日)

■いつ?
2004年1月頃
■どこで?
株式会社ツーカー(開発)
■誰が?
株式会社ツーカー
■何をした(する)?
骨伝導スピーカー内蔵の携帯電話TS41を発売。
■なぜ?
騒音の大きい場所でも音が聞こえるようにするため。
■どのように?
・音は耳の中から鼓膜を震わせ、耳小骨、内耳の蝸牛菅と伝わる。でも、頭の骨に振動を伝えてもちゃんと内耳へと音は届く。TS41はこの骨伝導スピーカーをボディーの外側へ組み込んだ。

・騒音の大きい場所でも人差し指で耳をふさぎ、ボディーをほお骨に軽く押し当てれば綺麗に音が聞こえる。着信時、中を開くことなくそのまま話せるので、静かな場所でのしようも便利。

・骨伝導は耳が遠いお年寄りの聴覚補助器具によく使われるが、TS41は屋外での通話が多いビジネスマンをターゲットにしている。

・店頭販売価格は1万円前後

車いすと視覚障害者、双方に配慮のブロック開発/東京・板橋区(2004年1月12日)

■いつ?
2004年1月11日
■どこで?
記載なし。
■誰が?
板橋区など
■何をした(する)?
車いす利用者と視覚障害者双方に配慮した新型歩道ブロックを開発。
■なぜ?
段差があると車いすが大変だが、段差がないと視覚障害者が大変になるため。
■どのように?
・新型歩道ブロックの体験会が開かれた。横断歩道と歩道の間の段差を無くさず、さらに車いす利用者にも便利なようにと、一部スロープを設けたのが特徴。

・板橋区は区内のコンクリートブロック製造会社と連携して「板橋区型UDブロック」を製品化した。

・新ブロックには車いすが通りやすいように、幅26センチのスロープを設け、スロープ部分には突起状の滑り止めも施した。

[記者が使ってみました]上腕血圧計 腕通し ワンタッチで測定(2004年1月14日)

■いつ?
2003年末
■どこで?
松下電工株式会社(開発)
■誰が?
松下電工株式会社
■何をした(する)?
上腕血圧計「〈アームドロック〉EW3150」を発売。
■なぜ?
片手でも準備作業がしやすいようにするため。
■どのように?
・家庭で血圧を測る際に困るのは、血圧計のカフ(圧迫帯)を巻き付ける側の手がふさがるので、片手で作業しなくてはならない点だ。松下電工が発売した上腕血圧計「〈アームドロック〉EW3150」(希望小売価格1万7500円)は、カフを巻く作業をなくし、1人でも使いやすくしたUDが特徴。

・丸い穴の開いた筒状のデザインで、側面のパネルを開けると液晶の表示画面が現れた。測定はこの穴に腕を通し、上腕のスタートボタンを押すだけだ。すると、内臓モーターがカフを締め付け、1分程度で数値が表示された。数値の脇には正常血液から高血液領域までを3段階で示すランプが点灯し、結果とすぐに照らし合わせることができる。

・メーカーによると、毎回同じ状態で血圧を測れるので誤差が少なくなるほか、脈を打つ時の振動を検知するデジタルセンサーの感度もより正確に改良したいという。

・データは2人分を90回まで記録できる。高さ22センチ、幅16センチ、奥行き21センチと、サイズは従来の血圧計に比べてやや大きくなる。