開港へ1年、取材陣の列 中部空港 【名古屋】(2004年02月11日)

■いつ?
2004年2月10日
■どこで?
中部国際空港(愛知県常滑市沖・伊勢湾)
■誰が?
中部国際空港株式会社
■何をした(する)?
05年2月の開港を1年後に控えた中部国際空港の工事現場が公開された。
■なぜ?
見学会には香港のテレビ局も参加、中国や東南アジア向けに放送する。「アジアの人たちに広く知ってもらえれば」と空港会社は期待している。
■どのように?
日本一幅が広い「動く歩道」や、車いすですべての個室に入れるトイレなど、ユニバーサルデザインを採り入れた設備も整いつつある。

[フォルダー]「人権尊重」推進施策へ提言 県の推進懇話会=福島(2003年11月6日)

■いつ?
2003年11月頃
■どこで?
福島県
■誰が?
県の推進懇話会
■何をした(する)?
県づくりの理念に掲げているテーマ「人間・人格・人権の尊重」について、基本的な考え方や施策推進のあり方をまとめて提言した。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・懇話会は2002年6月に発足。

・県社会教育委員や短大講師ら15人の委員で構成され、「人間らしく主体的に、支え合って生きるとはどういうことか」などについて、10回にわたり会合を重ねてきた。

・提言では、基本的な考え方として、「ユニバーサルデザイン」(年齢、性別、身体的能力などの違いにかかわらず、すべての人にとって安全・安心で暮らしやすいように建物・製品などを計画・設計する考え方)「共生」など6テーマを設定。「啓発・教育の重要性」を明記した。

[ユニバーサル社会]文具、ベッド、時計… 異業種11社が共通ブランド(2003年11月7日)

■いつ?
2003年11月頃
■どこで?
記載なし。
■誰が?
文具、ベッドなど様々な業種の十一社
■何をした(する)?
異業種交流グループ「アダプティックデザインユニオン」を立ち上げた。
■なぜ?
製品開発や販路拡大に知恵を出し合い、共通ブランドでの相乗効果を狙うため。
■どのように?
・ユニバーサルデザイン商品のブランド作りに取り組んでいる。ブランド名は「アダプティック」。その第一号として腕時計がこのほど発売。はさみやかばんなども近く市場にお目見えする予定だ。

・参加しているのは、文具メーカーのコクヨ、シチズン時計の子会社のシチズンCBM、パラマウントベッドなどの大手企業や、岐阜県関市の刃物メーカー「長谷川刃物」といった地域の企業など。

・ユニバーサルデザイン製品の商品開発や企業向けコンサルティングを行う「トライポッド・デザイン」(本社・東京)の呼びかけに応じ、2003年3月に設立。

・誰にとっても使いやすい商品を作ることは、今やどの企業にとっても重要課題。ユニオンでは、発想や技術を持ち寄ることで相乗効果を生み出し、使いやすさを向上させることを目指している。ブランド名の「アダプティック」は、使い手が誰であっても「アダプト(適応)」できるようにという願いを込めた。

・統一ブランド第一号のシチズンCBMの腕時計は、読み取りやすい数字を使った文字盤、指一本でも脱着可能なベルトなどが特徴。このほか、握らなくても使えるはさみ(長谷川刃物製、年内発売)、つまみやすいファスナーやずり落ちにくい肩ベルトを付けたかばん(エース製、来春発売)など、障害の有無にかかわらず誰でも使いやすいように、様々な工夫を凝らしている。

・他企業から問い合わせも多く、参加企業を増やす方針。旗振り役を務めるトライポッド・デザインの中川聰社長は「ただ共通ブランドの商品を売るというのではなく、使い手と対話をしながら、商品開発の過程でユニバーサルデザインの考えを生かすことを大事にしていきたい」と語っている。

カタカナ語多用 行政白書、改善に温度差 無用な表現減り、注釈も(2003年11月14日)

■いつ?
2003年11月13日
■どこで?
国立国語研究所
■誰が?
国立国語研究所
■何をした(する)?
外来語(カタカナ語)の言い換え案を十三日、二回目の最終提案四十七語を発表した。
■なぜ?
官公庁の文書などでわかりにくいカタカナ語の多用に警鐘を鳴らすため。
■どのように?
・第一回と合わせ、これで計百九語の言い換え例が示された。同研究所が調べたところ、提案を始めてから、行政白書の記述などに改善が見られることがわかった。

・同研究所「外来語」委員会は、昨年十二月に第一回言い換え提案を中間発表。この前後で、文部科学、厚生労働、外務、農林水産、経済産業の各省の白書の記述が変化したかどうか調査した。

・厚生労働、外務、農林水産、経済産業の各省のうち「劇的に変化した」と評価されたのが、文部科学白書。今年二月に発行された二〇〇二年度版を、昨年一月発行の二〇〇一年度版と比べると、「バリアフリー」など四十九のカタカナ語に、これまでなかった欄外の脚注が付けられていた。「~のニーズに応え」といったカタカナ語を使う必然性がない表現もほとんどなくなった。

・厚生労働白書は、昨年九月発行の二〇〇二年版で目立った「ピーク」「シフトする」などの表現が、今年八月発行の二〇〇三年版では消え、「インフォームド・コンセント(説明と同意)」のように注釈を付ける工夫も見られた。外務省の外交青書にも、なじみの薄いカタカナ語に脚注が付くようになった。

・一方、経産省の通商白書と農水省の図説食料・農業・農村白書には、あまり変化がなかった。経産省は「努力はしているが、世界で通用する経済用語には英語が多いので難しい」としている。
 国語研究所の近藤二郎管理部長は「省庁により差はあるが、全体としてわかりやすくしようという配慮が見られる」と話している。

[デジタリアン]高齢者や障害者に優しいITを提案する 関根千佳さん45(2003年11月18日)

■いつ?
1998年
■どこで?
記載なし。
■誰が?
関根千佳さん(株式会社ユーディット社長)
■何をした(する)?
株式会社ユーディットを設立。
■なぜ?
高齢者や障害者も使いやすいデザインのIT機器やウェブサイトを研究し、提案するため。
■どのように?
・「このままでは、安心して老後を暮らせない」――。その思いをIT機器やウェブサイトに向け、高齢者や障害者も使いやすいデザインを研究し、提案する「ユーディット」(http://www.uditーjp.com)を一九九八年に設立、社長を務める。社名のユーディットは、「ユニバーサルデザイン=UD」と「IT」を合わせた命名だ。

・日本IBMに勤務していた一九八八年からの二年間、夫の赴任に伴い米国・ロサンゼルスで過ごした。そこで、高齢者も障害者も普通にいきいきと生活している様子を体感。帰国後、社長に直訴し、社内に障害者支援技術の展示や相談窓口となるSNS(スペシャル・ニーズ・システム)センターを設立、ホームページ読み上げソフトなどを次々と企画、世に送り出した実績を持つ。

・独立して一人で始めた会社は、今や正社員五人、登録社員百三十人に。UDへの理解も、設立当時は「欧米に比べ六、七年遅れていた」が、今ではかなり追いつき、社会も企業も必要性を認め出しているという。ただ、「日本で一番遅れているのは教育現場。障害者がともに学ぶ機会がほとんどないことがUDへの理解を損ねている」と嘆く。

・全国からの講演依頼も多い。「これからは、ITだけではなく、ITを利用することで社会や生活のUDを進めていきたい」と意欲的だ。そして、最終的には「ユーディットは『湯~出っと』。湯治場で悠々と老後を過ごすのが夢」。自分も誰でも、豊かに、そして活動的に過ごせる社会を願っている。