都道府県・政令市、本社調査――バリアフリー義務化へ、整備状況に地域差(2002年3月4日)

■いつ?
1999年
■どこで?
静岡県内
■誰が?
静岡県
■何をした(する)?
「ユニバーサルデザイン室」を設置し、UDを取り入れた環境づくりを始めた。
■なぜ?
「全ての人にやさしい生活環境づくり」を目指すため。
■どのように?
・サッカーワールドカップ(W杯)の会場となる小笠山総合運動公園と最寄の駅のJR駅を結ぶルートをスロープ化した。
・急勾配では階段、傾斜式の動く歩道、車椅子でも利用できるモノレール型のゴンドラを設置し選択肢を広げた。
・「これまでのバリアフリーはバリア(障害)を除くデザイン。今後は障害者、高齢者、子供、妊婦、外国人など全ての人に配慮し、最初からバリアをつくらない街づくりが必要。」と静岡県では考えている。
■参考資料
「都道府県・政令市、本社調査――バリアフリー義務化へ、整備状況に地域差」『日本経済新聞』2002年3月4日,朝刊,31面

楽々使えるペン色々――ぺんてる・太い移動グリップ、ゼブラ・遠赤外線を活用(2002年2月8日)

■いつ?
2002年2月末,3月末
■どこで?
全国
■誰が?
ぺんてる株式会社(東京都中央区)、ゼブラ株式会社(東京都新宿区)、株式会社サクラクレパス(大阪府大阪市)
■何をした(する)?
各社とも、UDの発想を取り入れた「長時間使っても疲れにくい」ことを強調した新型のペンを発売する。
■なぜ?
万人に使いやすくし、需要を掘り起こすため。
■どのように?
【ぺんてる株式会社】
・2月末人間工学を基に考案したという「エルゴノミックス」を発売する。本体中央部に手の大きさに合わせて上下に18ミリ動かせる太いグリップをつけたのが特徴だという。
・通常のペンは親指、人差し指、中指で支えるのに対し「エルゴノミックス」は太くした部分が親指と人差し指の間に収まり、4ヶ所目の支点ができる。このため、少ない力でもしっかり支えられ、手への負担を軽減するという。
・油性ボールペン、水性ゲルインキボールペン、シャープペンシルの3種類、本体の色は黒、青、緑など6色。価格はいずれも500円。
【ゼブラ株式会社】
・遠赤外線などを発する鉱物のトルマリンをグリップのゴムに配合した「サーモアルファ」を2002年2月8日に発売する。油性ボールペンとシャープペンシルがあり、価格はともに300円。初年度に合わせて300万本の販売を目標にする。
【株式会社サクラクレパス】
・3月末に「太め」と「三角形」との組み合わせで持ちやすくした「ジーマックス」を発売する。
・太さは最大1.5センチと従来の製品より4割はど大きく、手になじみやすい。形状は三角柱に近く、指の一本一本に当たる面が広くなり楽に支えられるという。
・油性ボールペンとシャープペンシルを用意し、価格はともに300円。シャープペンシルには取り換え可能な長さ3.8センチの大型消しゴムもつけた。
■参考資料
「楽々使えるペン色々――ぺんてる・太い移動グリップ、ゼブラ・遠赤外線を活用」『日本経済新聞』2002年2月8日,朝刊,31面

「立杭焼」兵庫・篠山の陶工ら、人の優しい食器づくり――福祉施設が注目(2001年12月21日)

■いつ?
2001年6月
■どこで?
兵庫県篠山市今田町
■誰が?
今田町の16人の陶工
■何をした(する)?
「UD食器開発研究委員会」を結成し、UD食器の製作に取り組んでいる。
■なぜ?
お年寄りらの利用を念頭に新しい食器作りに取り組んできたから。
■どのように?
・これまでにストローが差せる湯飲みや、料理をすくいやすいよう縁を高くした皿など試作品約50点を考案。東京、大阪などで試験販売したところ、福祉関係者らの好評を得た。
・各地の展示会で評判となり、個人や老人福祉施設などから注文が来るようになった。
・販売は今のところ各窯元の売り場や、今田町内の観光物産センターでの即売が中心。将来的にはインターネットによる通信販売も検討している。
・2001年12月21日の日本経済新聞の記事には、UDに関して「年齢や性別、障害の有無などに関係なく、だれもが使いやすい商品やサービスの提供を目指す考え方。工業製品の分野では急速に広まっているが、陶磁器の意匠に採り入れる動きは全国でも珍しいという。」と記載があった。

「日経UD2002」発売(2001年11月26日)

■いつ?
2001年11月13日
■どこで?
全国
■誰が?
日経事業出版社
■何をした(する)?
『日経UD2002年版』を発行。
■なぜ?
日本発のUDのビジネス情報誌として。
■どのように?
・誰にでも使いやすいUDの商品の開発やサービス提供を行っている企業を20数社、紹介している。
・商品開発、CS推進、消費者対応、広報、販売各部門のビジネスパーソンやUDを知りたい消費者に必読の書。
・A4判変形、152ページ、本体価格1400円(消費税別)。
■参考資料
「「日経UD2002」発売」『日本経済新聞』2001年11月26日,夕刊,2面

小説、泥流地帯――強じんな老開拓者の精神(描かれたエルダー)(2001年10月21日)

■いつ?
2001年10月21日
■どこで?
日本経済新聞 朝刊 27面
■誰が?
記載なし。
■何をした(する)?
小説『泥流地帯』(三浦綾子・著 新潮文庫)の紹介の中に、UDに関連する出来事が紹介されていた。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・この記事を作成した人物が、1999年に東京の大企業を辞め、高齢者・身障者のために日本初の本格的なユニバーサルデザインホテルを北海道・摩周湖近くに建てた人物に創業の苦労を聞いた。
・ホテルの創業者の話によると、現地(北海道)でUDホテルの創業を理解し、骨折ってくれたのは三浦綾子氏の小説『泥流地帯』にでてくる「じっちゃん」こと石村市三郎のような老開拓農民だったという。
・小説『泥流地帯』(三浦綾子・著 新潮文庫)旧約聖書『ヨブ記』に題材を得た作品。悪が栄え貧しく正しい者が虐げられる現世を非情に描く。
■参考資料
「小説、泥流地帯――強じんな老開拓者の精神(描かれたエルダー)」『日本経済新聞』2001年10月21日,朝刊,27面