楽に書けるペン…、高齢化社会でデザイン進化――使いやすい日用品続々。(2000年5月25日)

■いつ?
2000年3月
■どこで?
松屋銀座本店(東京)
■誰が?
株式会社松屋
■何をした(する)?
UD商品専門コーナー「ユニバーサルスクエア」を開設した。

■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・「ユニバーサルスクエア」で扱っているのは文具、家庭用品、雑貨など約150点にのぼる。売れ筋の1つであるトライポッド・デザイン株式会社(東京・品川)のボールペン「ハンディ・バーディー」(1800円)は手のひらにすっぽり収まり、わずかな力で字が書けるように工夫されている。ボールペンとしては高価だが、2000年5月当時、当初の予想の2倍にあたる約40個が毎月売れているという。

・イトーヨーカ堂も2000年5月当時、専門コーナー「UD LIFE」を27店舗で展開している。罫線と罫線の間を太くして書きやすくしたノート(160~400円)やルーペつきとげ抜きピンセット(1620円)など、品揃えは100点あまりである。2000年以降、全国約170店舗に広げていくという。

・相模ゴム工業株式会社は、日本より一足先にUDが普及したスウェーデンから入浴用具や調理器具など約100点を輸入している。2000年には、関節や筋肉への負担を軽減し、全体をS字型に設計したボディーブラシやくしの輸入を始めた。

・2000年5月頃にはトヨタ自動車、松下電器産業など12社と社団法人かながわデザイン機構などが商品開発を目的とした企業会員組織「ユニバーサルデザインフォーラム」を発足させるなど、大手メーカーの取り組みも活発になってきているという。

■参考資料
「楽に書けるペン…、高齢化社会でデザイン進化――使いやすい日用品続々。」『日本経済新聞』2000年5月25日,夕刊,18面

バリアフリーガイドブック2000年版(ライブラリー)(2000年4月30日)

■いつ?
2000年4月頃
■どこで?
全国
■誰が?
日経事業出版社
■何をした(する)?
「バリアフリーガイドブック2000年版」を発刊。

■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・2000年版のテーマは「ユニバーサルデザイン」。住、食、職、遊、衣の5つの分野に分け、障害を取り除くというバリアフリーの発想から一歩進んだ、だれもが暮らしやすい環境づくりの試みにスポットを当てた。

・「福祉の街」を目指す商店街の取り組みやパソコンを利用した住宅ワークの支援、園内にほとんど段差がないよう配慮しているテーマパークなどの実例を紹介しているという。

・日常生活を便利にするアイデア製品も豊富に掲載しており、高齢者や障害者だけでなく、小さな子供を持つ親ら幅広い読者にとって参考になる内容であるといえる。

・価格は930円。

■参考資料
「バリアフリーガイドブック2000年版(ライブラリー)」『日本経済新聞』2000年4月30日,朝刊,29面

ユニバーサルデザイン、時計・靴・バッグ、デザインも重視――シチズンなど。(2000年4月10日)

■いつ?
2000年4月頃
■どこで?
全国
■誰が?
・シチズン時計株式会社,エース株式会社,月星化成株式会社(現・株式会社ムーンスター)

・トライポッド・デザイン株式会社

■何をした(する)?
トライポッド・デザイン株式会社と3社が健常者、高齢者、体の不自由な人の区別無く使えるよう配慮したUDを採用した商品を共同開発し、共通ブランド「トライポッド」として売り出す。

■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・シチズン時計株式会社の新商品は「ウエアラビィ」(店頭小売価格1万2000円)。首に掛けて使うタイプの時計で、文字盤を大きくして見やすくした。透明と金属色の2型を用意。2000年7月に全国に売り出すという。

・またシチズン時計株式会社は2000年5月下旬に、握力の弱い人でも持ちやすいようにした入力ペンつきの携帯型情機器「データスリム2」(2万3500円)を発売する。

・エース株式会社は旅行用のカバン「ズーダ」シリーズを百貨店8店で売り出した。車椅子の車輪にバックが巻き込まれないように、一定の負荷がかかるとストラップが外れるようにした商品や、歩行のときに邪魔にならないように背面部にスライドできるウエストポーチなど15点をそろえた。(価格は1万2000円~3万8000円)

・月星化成株式会社(現・株式会社ムーンスター)は2000年末、軽くて耐久性に優れるカジュアルシューズを婦人・紳士向けに発売する。価格は1万円前後になる予定で、全国の百貨店や靴の専門店で発売する。

■参考資料
「ユニバーサルデザイン、時計・靴・バッグ、デザインも重視――シチズンなど。」『日本経済新聞』2000年4月10日,朝刊,15面

日経からのお知らせ――「日経バリアフリーガイドブック」発売。(2000年4月10日)

■いつ?
2000年4月頃
■どこで?
全国
■誰が?
株式会社日本経済新聞社・日経事業出版社
■何をした(する)?
「日経バリアフリーガイドブック2000年版」を発売。

■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・『日経バリアフリーガイドブック2000年版』では、住宅、情報、機器、宿泊、旅行、交通機関、商業、レジャー施設、公共施設などのバリアフリーの最新情報に加え、巻頭では最近、注目を集めているUDを特集している。

・2000年4月10日の日本経済新聞の記事によると、介護保険でできる住宅改修のわかりやすい例や福祉器具の紹介、読者からのバリアフリー応募事例集など、生活するうえですぐに役立つ情報を豊富な写真や図表で見やすく掲載しているという。

・A4判220ページで定価は930円。

・申し込み・問い合わせは日経事業出版社(TEL03・5256・4982 FAX03・5256・6925)まで。

■参考資料
「日経からのお知らせ――「日経バリアフリーガイドブック」発売。」『日本経済新聞』2000年4月10日,夕刊,2面

特集――関西2010年タイムトリップ、提言の骨子(関西21C戦略)(2000年1月17日)

■いつ?
2000年1月頃
■どこで?
関西
■誰が?
関西21世紀戦略委員会
■何をした(する)?
関西地域活性化にむけた提言を出した。その提言の中に、UDに関する記載があった。

■なぜ?
日本再生に役立ち、地域活性化のモデルになるため。
■どのように?
・提言の中に次のような記載があった。

・「千里ハッピーエルダー先端都市」として、2000年から、日本初の大規模団地、千里ニュータウン(大阪府吹田市、豊中市)を舞台に、エルダー層の活力と知恵を生かした次世代混住の21世紀型コミュニティーの先端的な実験を始める。
・「千里ハッピーエルダー先端都市」実現のために、NPO、住民の相互扶助、ネット活用、UDの導入などあらゆるソフトを視野に入れて、行政区域の壁を越えて、街の再生の道を探るという。

・誰もがゆっくり、安心して回れるように配慮した周遊路「ユニバーサルデザイン街道」の整備を進める。

・観光地や公園などのパブリックスペースにの整備には、みんなが安心して使えるように工夫したUDを取り入れ、施設間の連携を呼びかける。施設対応だけではなくボランティアガイドなど参加型のソフトを導入し、名所旧跡を含め、利用しやすさを大きく向上させるという。

■参考資料
「特集――関西2010年タイムトリップ、提言の骨子(関西21C戦略)」『日本経済新聞』2000年1月17日,朝刊,20面