用語チェック――ユニバーサルデザイン(日曜版)(1997年5月11日)

■いつ?
1980年代
■どこで?
米国
■誰が?
ロン・メイス教授(ノースカロライナ州立大学)
■何をした(する)?
UDを提唱し、普及した。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・1997年5月11日の日本経済新聞では、UDについて「高齢者や障害者の専用品を開発するバリアフリーの考え方から1歩進んだもので、若者や子供、妊産婦、病弱者らみんなが使いやすい製品・住みやすい環境を作り出そうという考え方。」と表現されていた。

・UDの例としては、電子レンジや電話の操作ボタンを大きくして使いやすくすることなどが挙げられる。

■参考資料
「用語チェック――ユニバーサルデザイン(日曜版)」『日本経済新聞』1997年5月11日,朝刊,25面

遅れる表示のバリアフリー――増える白内障、白と黄色で混乱(日曜版)(1997年5月11日)

■いつ?
1997年度から
■どこで?
記載なし。
■誰が?
通商産業省(現・経済産業省)
■何をした(する)?
運輸省(現・国土交通省)、警察庁、など5省庁のほか、明治生命フィナンシュアランス研究所や医療機関などの協力を得て、UDの研究を開始した。
■なぜ?
各種製品や交通システムなどについて、表示や標識も含めて、だれもが快適に利用できるデザインを探るため。
■どのように?
・三菱企業グループでは三菱商事、三菱重工業など23社のデザイナーらが「三菱デザイン・アソシエーツ」という名のグループを組織し、1993年から高齢者にやさしい色彩の研究を進めている。

・1997年5月11日の日本経済新聞の記事には「こうした(UDの)試みはごく一部。通商産業省のUD研究にしても最初の三年間はデータの収集が中心。具体的なガイドラインがまとまるのはまだ先だ。」という記載があった。

■参考資料
「遅れる表示のバリアフリー――増える白内障、白と黄色で混乱(日曜版)」『日本経済新聞』1997年5月11日,朝刊,25面

バリアフリー商品、高齢化進み需要拡大――住宅・住設機器、デザインに配慮(月曜版)(1997年3月31日)

■いつ?
1997年3月頃
■どこで?
全国
■誰が?
三井ホーム株式会社,TOTO株式会社など住宅・住宅設備業界のメーカー
■何をした(する)?
高齢者や身体障害者にも使いやすいバリアフリー商品の開発・販売を進めている。
■なぜ?
高齢化の進展による、バリアフリー商品の需要拡大や金利面で優遇措置が与えられるため。
■どのように?
・1996年秋に住宅金融公庫の融資制度の変更が実施され、一定の条件を満たしたバリアフリー化が優遇金利適用の条件の一つになった。

・三井ホームは「間仕切りや壁や通路の拡張を模様替えの感覚で、簡単なリフォームで対応できる仕組み」を取り入れた「長寿社会住宅」を発売。障害の度合いや家族構成に応じて柔軟に改装できる構造にしたことで、高齢化社会における消費者の悩みに対応しようとしている。

・TOTOは1997年3月の東京・新宿のショールーム全面改装を機に、高齢者配慮商品「レブリス」の専門コーナーを設けた。

・1997年3月当時、TOTOは寝室に近い限られたスペースに、洗面台やトイレ、バスを集めた「ニューバスルーム」を提唱していた。「ニューバスルーム」では、車椅子や介護を必要とする人でも使いやすいよう配慮した器具をそろえたのに加え、幅広の引き戸を設けてトイレ・バスを1室にすることへの抵抗感を和らげようとしている。

・メーカー各社が、だれにでも受け入れられるデザインでバリアフリー商品の浸透を図る、UD化を意識しはじめた。

■参考資料
「バリアフリー商品、高齢化進み需要拡大――住宅・住設機器、デザインに配慮(月曜版)」『日本経済新聞』1997年3月31日,朝刊,47面

人物概要――パトリシア・ムーア氏(生活家庭)(1996年12月10日)

■いつ?
1996年12月頃
■どこで?
記載なし。
■誰が?
パトリシア・ムーア氏
■何をした(する)?
高齢者のライフスタイルを調査しUDを提唱した。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・ガインズ・デザイン社社長。

・企業向けコンサルタント業務のほか学校でも教える。

■参考資料
「人物概要――パトリシア・ムーア氏(生活家庭)」『日本経済新聞』1996年12月10日,夕刊,17面

老人に変装P・ムーアさんに聞く――無視、不当な扱いを体感(生活家庭)(1996年12月10日)

■いつ?
1970年代
■どこで?
北米の街
■誰が?
パトリシア・ムーア氏(工業デザイナー)
■何をした(する)?
老人に変装し、人々の対応ぶりや街の設備の観察をした。
■なぜ?
老人に興味があったから。
■どのように?
・米国の工業デザイナーであるパトリシア・ムーア氏は、日本ウェールジング協会の招きで来日し、1996年12月頃、自身の老人変装体験に関して日本経済新聞社のインタビューに回答した。

・パトリシア・ムーア氏が老人に変装し訪問した街は100以上で、その活動は3年間にわたったと語る。

・変装の方法は、特殊メーキャップを施し、動きにくくするために手足にテープをぐるぐる巻き、その上から厚手の衣服を着るなどで、1回の準備に4時間かかっていた。

・パトリシア・ムーア氏は、変装体験をもとに提唱しているUDの核となる考え方について「年をとることは、何かが出来なくなることではなく、機能が違ってくること。だから、一通りにしか使えないのではなく、各人のニーズに応じていかようにも使える、というのがUDの考え方。それは大幅なデザインの変更を伴うものではないし、高齢者用と称して機能優先で味気ないデザインにする必要もない。」と語った。

・また、「日本でも擬似老人体験が盛んになっているが、特に意思決定をする社会の中枢にいる人に体験してもらいたい。自分と違った機能を持つ人の視線で世界を見ることでアイデアも生まれてくる。高齢者も含め、誰もが生きやすい社会をつくるにはそんな新しい発想が求められている。」と語った。

■参考資料
「老人に変装P・ムーアさんに聞く――無視、不当な扱いを体感(生活家庭)」『日本経済新聞』1996年12月10日,夕刊,17面