第2部・中部維新特集――未来切り開く2大事業、中部国際空港、環境・利用者に配慮。(2000年10月6日)

■いつ?
2000年10月頃
■どこで?
中部国際空港(愛知県常滑市沖)
■誰が?
中部国際空港株式会社
■何をした(する)?
空港の旅客ターミナルにUDを導入する。

■なぜ?
だれもが利用しやすいようにするため。
■どのように?
・駐車場や駅と出発・到着ロビーとの間を階段を使わずスロープで移動可能とするほか、目的地まで直線的に歩けるようにする。

・交通アクセスや宿泊、観光などの情報を提供する「マルチアクセスターミナル(MAT)」も設置する。

・愛知県が新空港の関連用地で進める「プロトンアイランズ基本構想」は、環境負担の少ない街づくりが狙いだ。燃料電池などの次世代エネルギーシステムの研究開発施設を設け、ホテル、工場などでは実用段階の新エネルギーを導入する。

■参考資料
「第2部・中部維新特集――未来切り開く2大事業、中部国際空港、環境・利用者に配慮。」『日本経済新聞』2000年10月6日,朝刊第2部,3面

敬老の日商戦、実用性や健康志向――スーパー・百貨店、関連品を続々。(2000年9月7日)

■いつ?
2000年9月初旬
■どこで?
全国のイトーヨーカ堂各店
■誰が?
株式会社イトーヨーカ堂
■何をした(する)?
UD商品の取り扱いを全国176店に拡大した。

■なぜ?
「敬老の日」に向けたセールをきっかけにして。
■どのように?
・文字盤の文字を大きくした置時計や、手のひらで掴む形をしたボールペンなど、使いやすさを最優先したUD商品の取り扱いを全国の店舗に拡大した。

・価格は、足の指先を拡大して見られる「ルーペ付きつめ切り」が980円などやや高めだが、株式会社イトーヨーカ堂では「高齢者や障害者が使いやすいと感じてもらえば」と期待しているという。

■参考資料
「敬老の日商戦、実用性や健康志向――スーパー・百貨店、関連品を続々。」『日本経済新聞』2000年9月7日,朝刊,17面

楽に書けるペン…、高齢化社会でデザイン進化――使いやすい日用品続々。(2000年5月25日)

■いつ?
2000年3月
■どこで?
松屋銀座本店(東京)
■誰が?
株式会社松屋
■何をした(する)?
UD商品専門コーナー「ユニバーサルスクエア」を開設した。

■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・「ユニバーサルスクエア」で扱っているのは文具、家庭用品、雑貨など約150点にのぼる。売れ筋の1つであるトライポッド・デザイン株式会社(東京・品川)のボールペン「ハンディ・バーディー」(1800円)は手のひらにすっぽり収まり、わずかな力で字が書けるように工夫されている。ボールペンとしては高価だが、2000年5月当時、当初の予想の2倍にあたる約40個が毎月売れているという。

・イトーヨーカ堂も2000年5月当時、専門コーナー「UD LIFE」を27店舗で展開している。罫線と罫線の間を太くして書きやすくしたノート(160~400円)やルーペつきとげ抜きピンセット(1620円)など、品揃えは100点あまりである。2000年以降、全国約170店舗に広げていくという。

・相模ゴム工業株式会社は、日本より一足先にUDが普及したスウェーデンから入浴用具や調理器具など約100点を輸入している。2000年には、関節や筋肉への負担を軽減し、全体をS字型に設計したボディーブラシやくしの輸入を始めた。

・2000年5月頃にはトヨタ自動車、松下電器産業など12社と社団法人かながわデザイン機構などが商品開発を目的とした企業会員組織「ユニバーサルデザインフォーラム」を発足させるなど、大手メーカーの取り組みも活発になってきているという。

■参考資料
「楽に書けるペン…、高齢化社会でデザイン進化――使いやすい日用品続々。」『日本経済新聞』2000年5月25日,夕刊,18面

バリアフリーガイドブック2000年版(ライブラリー)(2000年4月30日)

■いつ?
2000年4月頃
■どこで?
全国
■誰が?
日経事業出版社
■何をした(する)?
「バリアフリーガイドブック2000年版」を発刊。

■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・2000年版のテーマは「ユニバーサルデザイン」。住、食、職、遊、衣の5つの分野に分け、障害を取り除くというバリアフリーの発想から一歩進んだ、だれもが暮らしやすい環境づくりの試みにスポットを当てた。

・「福祉の街」を目指す商店街の取り組みやパソコンを利用した住宅ワークの支援、園内にほとんど段差がないよう配慮しているテーマパークなどの実例を紹介しているという。

・日常生活を便利にするアイデア製品も豊富に掲載しており、高齢者や障害者だけでなく、小さな子供を持つ親ら幅広い読者にとって参考になる内容であるといえる。

・価格は930円。

■参考資料
「バリアフリーガイドブック2000年版(ライブラリー)」『日本経済新聞』2000年4月30日,朝刊,29面

ユニバーサルデザイン、時計・靴・バッグ、デザインも重視――シチズンなど。(2000年4月10日)

■いつ?
2000年4月頃
■どこで?
全国
■誰が?
・シチズン時計株式会社,エース株式会社,月星化成株式会社(現・株式会社ムーンスター)

・トライポッド・デザイン株式会社

■何をした(する)?
トライポッド・デザイン株式会社と3社が健常者、高齢者、体の不自由な人の区別無く使えるよう配慮したUDを採用した商品を共同開発し、共通ブランド「トライポッド」として売り出す。

■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・シチズン時計株式会社の新商品は「ウエアラビィ」(店頭小売価格1万2000円)。首に掛けて使うタイプの時計で、文字盤を大きくして見やすくした。透明と金属色の2型を用意。2000年7月に全国に売り出すという。

・またシチズン時計株式会社は2000年5月下旬に、握力の弱い人でも持ちやすいようにした入力ペンつきの携帯型情機器「データスリム2」(2万3500円)を発売する。

・エース株式会社は旅行用のカバン「ズーダ」シリーズを百貨店8店で売り出した。車椅子の車輪にバックが巻き込まれないように、一定の負荷がかかるとストラップが外れるようにした商品や、歩行のときに邪魔にならないように背面部にスライドできるウエストポーチなど15点をそろえた。(価格は1万2000円~3万8000円)

・月星化成株式会社(現・株式会社ムーンスター)は2000年末、軽くて耐久性に優れるカジュアルシューズを婦人・紳士向けに発売する。価格は1万円前後になる予定で、全国の百貨店や靴の専門店で発売する。

■参考資料
「ユニバーサルデザイン、時計・靴・バッグ、デザインも重視――シチズンなど。」『日本経済新聞』2000年4月10日,朝刊,15面