「ユニバーサルデザイン」掘り起こせ 日本、先取りの動き (2000年03月25日)

■いつ?
1997年
■どこで?
全国
■誰が?
トヨタ自動車株式会社
■何をした(する)?
「ユニバーサルコンセプト」とうたった小型RV「ラウム」を売り出した。
■なぜ?
記載なし
■どのように?
・小型RV「ラウム」は試作の過程で、老人ホームに持ち込んで使い勝手を聞いた。

・この製品の目玉は、乗り降りの際に腰をほとんど上下させないで済む工夫や、狭い場所でも使いやすいスライド式の後部ドアなどである。

・2000年3月頃までに13万台近くを売り上げた。

「ユニバーサルデザイン」掘り起こせ 日本、先取りの動き (2000年03月25日)

■いつ?
1998年ごろから
■どこで?
全国
■誰が?
トライポッド・デザイン株式会社(東京)の代表、中川聰氏
■何をした(する)?
高齢者の目線で商品開発を行い、製品を発売した。
■なぜ?
従来の障がい者のためのデザインは、障がいとなる状況を取り除く「バリアフリー」が中心だったが、障がいのあるなしにかかわらず、だれでも使えるデザインにすれば、デザインの幅も広がると考えたため。
■どのように?
・指に障がいがある人や握力の弱った高齢者でも書きやすいように配慮した、ずんぐりした形のペン「ミニ・バーディ」を開発し、モリト株式会社(大阪)に持ち込み1998年に発売した。

・2000年当時「ミニ・バーディ」は月に4~5万本売り上げた。

・鳥の形を模し、流行の透けるボディのペンは、障がい者だけでなく「健常者も使って楽しいことも意識(して開発)しました」と中川氏は語る。

・2000年3月25日の朝日新聞の記事によると、「ミニ・バーディ」は5種類の色が選べ、価格は1200円。また、右利き用と左利き用が選べる大きいサイズ「ハンディ・バーディ」もあり、価格は1800円。文具店や介護用品売り場で買えるとのこと。

・1999年秋、握力が弱い人も持ちやすく、袋が指にくい込む痛みも解消できるように配慮したスーパーのレジ袋を持つ時の手提げ用具を発売し、数十万個を売り上げた。

ユニバーサルデザイン みやじまあゆみ(気になるグッズ)/北海道(2000年05月16日)

■いつ?
2000年5月16日~28日まで
■どこで?
大丸藤井セントラル(札幌市中央区南1西3)1階のイベントコーナー
■誰が?
大丸藤井株式会社
■何をした(する)?
「ユニバーサルライフフェア」を開催した。
■なぜ?
家具や寝具、食器、文房具、日用品など生活全般にわたるユニバーサルデザインの品々を紹介するため。
■どのように?
・2000年5月16日の朝日新聞の記事によると、大丸藤井セントラル4階では、以下のようなUD製品を集めた「ユニバーサルライフコーナー」を設けている。

・手指のさまざまな障害に対応でき、握り方を選ばず文字を書くことができるペン「ユー・ウィング」。価格は1900円。個性的なデザインで健常者にも人気。

・幼児や高齢者のように握力の弱い人でも無理なく握ることができ、手のひらにおさまるサイズのペン「ハンディ・バーディ」(1800円)と、同形でサイズが小さめの「ミニィ・バーディ」(1200円)は1カ月で80個前後は売り上げていた。

・UD商品の中で最も好評なものは、ビニールの買い物袋のように持ち手がひも状で、重たいものを入れると持つのが大変な荷物でも、指に食い込ませることなく安定した状態で持ち歩くことができるという「ハンディー・ワーミィ」で、価格は280円。

・他にもスプリング付きのはさみや、瓶のふたや缶詰を簡単に開けることができるグッズなど、さまざまなアイディア商品を取り扱っている。

ユニバーサルデザイン交通の可能性 布施泰男(ぜみなーる)(2000年04月22日)

■いつ?
1998年2月
■どこで?
東京
■誰が?
京浜運送株式会社
■何をした(する)?
「ユニバーサルデザイン・タクシー」の運行を開始した。
■なぜ?
車いすのままでないと移動できない人の利用や、運転手にかかる肉体的負担など、従来の一般車両を使用した「介護タクシー」が抱える問題を解決するため。
■どのように?
・「ユニバーサルデザイン・タクシー」は車いすに座ったまま乗れるワゴン型のタクシーで、初乗り料金は2000年4月当時、一般の中型タクシーと同じで660円であった。

・車いすの利用がない場合は、七人乗りタクシーとして、グループでの移動やたくさんの荷物を持っての移動に使える。

・「ユニバーサルデザイン・タクシー」は地方へも広がっており、1999年9月に株式会社ユニネット(東京)が立ち上げられた。

・株式会社ユニネットには、神奈川県の川崎タクシーを含む地方のタクシー会社数社と、バス会社、物流会社も参加、事業の全国展開を目指している。

ごぞんじ?ユニバーサルデザイン 年齢・障害関係なく快適に/富山 (2000年04月16日)

■いつ?
2000年6月初め
■どこで?
富山県高岡市
■誰が?
富山県の外郭団体、「富山県総合デザインセンター」
■何をした(する)?
国や県、市町村民間企業などの有識者を招いたシンポジウムを計画している。
■なぜ?
地元企業に対するUDの普及啓発のため。
■どのように?
・日本では、1999年3月に「ユニバーサルファッション協会」(事務局・東京)が発足し、機能や着心地、デザイン性などの基準を設け、2000年春から専用のマークを製品につけている。

・富山県は新年度予算にデザイン振興基金として約百万円を計上した。

・2000年3月には、富山県の繊維業者約百社が加盟する県繊維協会が、富山県高岡市内で「ユニバーサルファッションビジネスの可能性」をテーマに講演会を開いた。

・県総合デザインセンターの黒木靖夫所長はUDについて「行政だけが理解していても仕方がない。多くの人が興味を持ってくれることが大切だ」と、協力を呼びかけているが、大手アルミ製品メーカーやスポーツ用品販売メーカーなどの企業側の反応はいま一つである。

・その理由として、(UDについては)「対象範囲が広く、市場に売り出すのが難しい」や「採算の見通しが立たない」などがあげられた。

・約200人のデザイナーが加盟する社団法人富山県デザイン協会は「バリアフリーと違って定義が難しく、県内には手がけるデザイナーも少ない。(UDの)定着には時間がかかりそうだ」と話している。

・2000年4月16日の朝日新聞で、UDは「例えば、そでをゆったり取ったセーターや、はじめから車いすに座った姿勢でデザインされたズボンなどで、「すべての生活者に適合するデザイン」と定義される。衣服だけでなく、建物や小物など様々な分野に定着しつつある」と伝えられている。