清水浩志郎さん 秋田大工学資源学部教授(この人に聞く) /秋田(2002年04月29日)

■いつ?
2002年4月頃
■どこで?
秋田県
■誰が?
清水浩志郎さん(秋田大工学資源学部教授,「人にやさしいまちづくり検討委員会」座長)
■何をした(する)?
先月、「県バリアフリー社会の形成に関する条例」が制定された。条例づくりに携わった「人にやさしいまちづくり検討委員会」の座長である清水さんに、現状と問題点を聞いた。
■なぜ?
65歳以上の高齢者が4人に1人、全国3位の高齢化率となった本県で、高齢者や障害者に優しい街づくりを目指す。
■どのように?
・「狭い意味でバリアフリーというと対象が限定されてしまう。ある人には優しいが、ほかの人には逆に使いづらいこともある。理想はユニバーサルデザインの街づくり。対象を限定せず、すべての人が住みやすいような街。そういった意味を含めたバリアフリー社会を目指したい」と語った。

・建物などのハード面、制度などのソフト面に加え、『ハート』面の大切さを強調した。我々一人ひとりの意識を変えていくことが大事。

・秋田には雪国ならではの課題がある。雪かきのできない高齢者が外出できなくなったり、ノンステップバス(乗降口の段差が低いバス)が積雪のためにかえって使いにくくなったり。ボランティアが高齢者宅前の雪かきをする、というような体制作りも必要になる。

・人口密度が低い地域では公共交通サービスが悪い。バスの赤字路線も廃止され、地域の住民の足をどうするかも考えないといけない。NPO(非営利組織)による支援や短距離のヒッチハイク、タクシーの相乗りなどを考えている。

・何より、子どものころからの環境が大事。小中学生にもわかりやすい副読本を作るなどして、バリアフリーに慣れ親しんでもらえるといいと考えている。

・しみず・こうしろう 1940年生まれ。北海道大学大学院土木工学専攻修了。専門は都市計画、特に交通計画。「バリアフリー」という言葉が普及する以前から、高齢者や障害者のための交通計画に取り組んできた。「子どもや妊婦さん、けが人なども含め、すべての人が住みやすい街をつくりたい」と語る。

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